三網の神紋は土師氏並びに檜前氏の家紋である。
三網紋のまん中は中知、右側は兄浜成、左が弟竹成を表し、左右で微妙に高さの違いがある。



平成20年度


平成20年3月
浅草神社例大祭(三社祭)
神輿乗り禁止に関する本旨
浅 草 神 社
浅草神社奉賛会
 浅草神社例大祭に於ける「御神輿の渡御」について、種々誤解が多く見受けられる事に
鑑み、これの是正を目的に、本来神事である 「御神輿の渡御」 に関し浅草神社及び浅草神
社奉賛会として以下の通り見解を明らかにするものです。

【本旨】
 浅草神社は、浅草寺御本尊である聖観世音菩薩御示現の際に功績のあった土地の文化人
「土師真中知」と二人の漁師「檜前浜成」「檜前竹成」の御三方を、後世になって浅草の開
創者また浅草発展の功労者としてお祀りした神社です。つまり、浅草神社の御祭神は、浅
草の氏神様であり、浅草に住まい、浅草で仕事に従事する氏子全体の御先祖様と申しても
差し支えありません。
 その氏神様に御神霊として御神輿にお乗り頂き、氏子がその御神輿を担ぎ、一年に一度
氏子地域の様子を御覧頂く行事が「御神輿の渡御」であり、例大祭期間中に行われる「例
大祭式典」をはじめとする一つの神事となります。
 そのような観点からも、氏神様が祀られた御神輿の上に乗る事は、我々の御先祖様を足
下にする事と同義であり、古来より受け継がれてきた我が国の国振り(国体)、そして浅草
の伝統や風習を廃退させると言っても過言ではありません。
 御神輿の沿革については諸説ありますが、神様或いは神と同様な権威を持つ方の乗り物
とされた「鳳輦」から生まれたとされるのが一般的です。従って、同じ神様をお祀りして
いても「山車」や「だんじり」とは異なり、御神輿には元々人が乗ってはならない事が原
則となります。

 以上御説明致しました通り、少なくとも浅草神社の御祭神をお祀りした御神輿には、何
方であれ人が乗ってはなりません。これは当然の事ながら、本社神輿に限らず各町の町内
神輿にも該当します。浅草の古老の方々によれば、数十年前までは御神輿を家の二階等の
上から見下ろす事さえ許されなかったと聞き伝えられています。
 浅草神社例大祭、つまり三社祭の発祥となる船渡御が初めて斎行されて、その歴史は間
もなく七百年の佳節を迎えようとしています。
 浅草神社の例大祭が輝かしい伝統を誇り、神事たる御祭礼である事を再度御認識頂き、
浅草の氏子としての誇りを胸に、規律を守り良識を以て御祭禮に御参加頂きますよう切に
お願い申し上げます。